おくまあやの
待望の息子レオが生まれた1997年11月17日。産後の疲れで身体はぐったりとしていましたが、心は幸せに包まれていました。
主人に子供を見たいと新生児室へと足を運ぶと、10名ほどの新生児の中で息子だけうつ伏せ状態。そしてベッドには「あお向け禁止」という張り紙が。なぜ?どうして...
翌朝、医師から説明を聞いたあと、実父に言われました。『君達は3,000万円用意できるか?この子はいずれアメリカで手術しないといけない』と。この父の言葉で出産による幸福感は一瞬で消え去り、大きくのしかかった重圧と、これから先どうなるんだろうと不安と絶望の毎日が続きました。
大学病院で診察を受け、まだ僅かに希望を抱えていましたが、悪いほうの結果でした。12時間に及ぶ手術を無事終えて、生後3か月の息子とながい入院生活のスタート。
後に病気の原因は妊娠前から女性の体に必要な栄養素(葉酸)が不足していたということがわかりました。当時は3,000人に1人の割合だったこの病気は現在1,500人に1人に倍増しています。
レオ生後8ヶ月、主人とは意見の相違で離婚。私はシングルマザーに。
そこからの道のりも決して順風満帆ではありませんでした。障害を抱え苛立つ息子に『なんでこんな身体で生んだの?』と責められ親子二人で泣く夜も。そんな中でも元気に成長してくれた息子。昨年、夢を見つけた息子に訪れた晴れの舞台で『おかぁー、ステージに立った瞬間、生んでくれて、ありがとう!って思ったぜ!』という嬉しいメッセージをもらいました。
この瞬間、私の背中に約20年ものあいだ重くのしかかっていた十字架がスッと軽くなっていく、そんな感覚を今でも覚えています。
親子共々辛かった壁を乗り越え受け入れる事が出来た今日。世の中の悲しいニュースや数々の問題(子どもの貧困・いじめ・高齢者の孤独死・児童福祉・食の汚染・環境汚染・犬猫殺処分など)を目にすると、他人事とは思えず、私に新たなチャレンジを奮起させるきっかけとなりました。
シングルマザーで生きづらさを感じる方々や病気のお子さんを抱える親の思い、現実社会での差別や偏見、人間関係で辛い境遇にいる方などに希望をもって歩んでほしい。生きていく喜びや楽しみを共感し、支え合う社会を作りたい。
私の経験を通してこのようなお手伝いができたらと思っております。
おくまあやの後援会
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